乳酸菌は人間の体のいたるところで活躍してくれる細菌ですが、入浴剤のようにお風呂に入れても体に良いといわれています。
その名も「乳酸菌風呂」。
まったく初耳だったという方も多いと思いますが、そもそも乳酸菌でお風呂を沸かして問題はないのでしょうか?
・乳酸菌風呂の作り方
乳酸菌風呂は、お米のとぎ汁に含まれている乳酸菌を使います。
分量としては、お米6合に対して水1リットル程度の割合でお米を洗い、出たとぎ汁をペットボトルなど密閉できる容器に移して、そのまま1日おきます。
1日に数回程度容器を振って中身をかきまぜることと、水道水ではなく浄水を使うのがポイントだそうです。
乳酸発酵させたとぎ汁はお風呂にそのまま入れることができます。
・乳酸菌風呂の効能
乳酸菌はお風呂に入れると中に溶け出し、人間の皮膚に住みつく病原菌を抑制してニキビやアトピーなどの肌トラブルを防ぎます。
また、毛穴に溜まった老廃物を分解して、弱酸性のスベスベのお肌にしてくれるといわれています。
・乳酸菌風呂の安全性
乳酸菌が体に住みつくたくさんの悪い細菌をやっつけてくれるなら、毎日でも乳酸菌風呂をつくって入りたいところ。
しかし最大の問題は、乳酸菌風呂の安全性についてです。
既にいくつかの指摘もされていますが、乳酸菌風呂は必ずしも乳酸菌だけが培養されるわけではなく、カビなどの体に悪影響をもたらす生物が増殖する可能性もあります。
万が一乳酸菌以外の悪い細菌を培養してしまったら、安易に入浴というわけにはいかず、感染症を起こす可能性も。
一部では「一度乳酸菌風呂を作ったら、お風呂を入れ替える必要がない」ともいわれていますが、お湯の中身が分からない以上、まずはパッチテストなどで安全性を確認してから入浴を行った方が良さそうです。
しかしやはり、「確実に安全」という証明がされない限り、手軽に作れるという話をそのまま鵜呑みにするのは避けた方が良いかもしれません。
自宅で手軽に作れる乳酸菌風呂ですが、健康に良いからといってすぐに飛びつくのはリスクが伴います。
もちろん乳酸菌そのものはお肌に良い菌ですし、体内に入っても問題はありません。
さまざまな健康効果が期待できる菌ですから、ヨーグルトや発酵食品など、安全性が実証されている方法で摂取するのが確実かもしれませんね。